
「――そも、王とは孤高なるや否や?」
我も王。彼も王。それを弁えた上で酒を酌み交わすならそれは剣に依らぬ”戦い”―――
原作重要イベントの一つ、「聖杯戦争」ならぬ「聖杯問答」が繰り広げられる「Fate/Zero」第11話の感想。
騎士王。征服王。そして、英雄王――、はたして“聖杯の王”に相応しき器は誰か?
あぁ、ただ期待が大きすぎたせいか・・・・ハッキリ言って肩透かしな出来に終わってしまったのが残念です。
※原作既読のため基本的にネタバレあり。なので閲覧は自己責任で。

「無欲な王なぞ飾り物にも劣るわい!」
ちょっと更新停滞気味でしたが、ぼちぼち再開ということで
さて、原作ファンが待ちに待った「聖杯問答」がいよいよやってきました。
前回の感想でも書きましたが、ここが「Fate/Zero」前半の最大のハイライトといっても全く過言ではないシーンということで
それはもう多大な期待をしていたわけでありますが・・・・しかし、正直(現段階では)「不満の残る出来に終わった」というのが個人的な感想です。
結果的に前回(第10話)抱いた不安が的中してしまったというのかな。
本編に大きく影響しない部分は非常に出来が良くて、だが肝心の本筋がちょっと微妙な出来になるという
これはもう明らかに「力の入れどころがおかしい」と言われても仕方がないレベルだったと思います。
OPなしで始まったトコまでは期待値MAXの状態でしたけどね・・・・それ以降は首を捻ることが多かったなぁ。
変な先入観がないぶん今回は原作読んでない人の方が純粋に楽しめたかもしれない。
作画は崩壊というよりはいつも以上に作監のクセが出ている印象を受けました。
まぁコレは4話でもその兆候はありましたし、場合によっては修正できる慣れの問題なので多くは語りませんが、
しかしそれ以上に重要なセリフやシーンがカットされすぎてて・・・・それがとにかくショック大きいですね。
特に楽しみにしていたギルの行動(言動)が軒並みカットされてるのがなぁ・・・・
「貴様はこの我が手ずから殺す」は終盤の戦いへの大事な伏線ともなる非常に重要なセリフなのに。
まぁ予告にはあったセリフですし、どうやらこの回総じて5分以上の追加シーンがあるみたいなので
あとは例の如くBD完全版に期待するしかないのですが・・・・
ただ、当たり前の話ですがいまこの作品を視聴している人のすべてが製品版を買う(買える)わけではないじゃないですか。
それを考えると一応TV放送という媒体を採ってるのだから、もう少しTV版なりの納得いく編集をしてもいいんじゃないかとも思うわけです。
唐突なアサシンの登場→退場とか、原作既読の身からすれば勝手に脳内補完できるからいいけど
あれだけカットしすぎだと場面の前後がホントわけわからんことになってますよね。
そういう意味では、たしかにBOX完全版で一気に視聴すべき作品だと思いますし+そういう販売方法を選択したのは間違ってないですが
なんかそれだったら「わざわざTVで放送する価値ってなんだろう?」とも思ってしまい心中複雑な所でもあります。
ufoさんの場合、「らっきょ」が清々しいほど割り切った製作だったから尚更ね。

「こいつら・・・一騎一騎がサーヴァントだ・・・・」
見よ、我が無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として『世界』に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者たち。
時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友たち。彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!
イスカンダルたる余が誇る最強宝具――『王の軍勢-アイオニオン・ヘタイロイ-』なり!!
と、ちょっと長々と愚痴を連ねてしまったもののライダーの宝具開放シーンは音楽含め力入った出来で良かったと思いますよ。
アニメ化発表時に言われていた通り、軍勢の面々ひとりひとりのデザインに個性があったりして見応えありましたね。
「然り」――男ならこういう上司に焦がれて付き従いたいものです。
ただまぁ、あえて欲を言うならちょっと見せ方に思ったほどの迫力は感じなかった気もする。
このスタッフならもっと度肝を抜く映像を作れてもおかしくないといいますかね。
贅沢な話だし、なにより何も知らない素人がどうこう言うのはまことにおこがましいとは思うけど、
ここまで観た限りでは「若いスタッフにコンテ切らせる」って制作方針があまり良い方向に機能してないんじゃないかなぁ。
早ければキャスター戦、遅ければ2クール目の終盤あたりからでいいからもっと主力メーターさんの活躍もみたい。
あ、あとイスカンダルコールがあればもっと最高だった。
そんなわけで、今回は不満の多い文章になってしまったわけですが
それだけ原作組としては楽しみにしていた反面ショックもあったということでご容赦願いますm(_ _)m
尺が詰まってるのは仕方がないのでそれを今さら責める気はありませんけど、
でも前回からの流れを踏まえてみてしまうとね・・・・やっぱり微妙に感じる部分はあっておかしくないと思うのです。
まぁ毎度マンセーばかりも正直どうかと思いますし、今後も思ったことはそのまま素直に書いていくことにします。
もちろん絶賛すべき内容だった場合は心おきなく褒めちぎっていきますよ!
とりあえず、早いもので1stシーズンも残り2話ですからね。
今回アレだった分はこの後のキャスター決戦にかなり力注いでると期待したい。
【余談】
昨日、最近Zeroの影響で型月ワールドにハマった友人とTV版「Fate/stay night」を1~19話まで改めて観返したのですが
これもやっぱり演出(というか戦闘シーン)がマシだったらなぁ・・・・といろいろ惜しい出来ではありますよね。
Zeroと比べると雰囲気が対照的すぎて妙な笑いすら起きる(そこがまた好きでもあるのですがw
ただバーサーカー戦とその後のオリ展開(17・18話)の部分は完全にギャグかなにかだよなぁ・・・・
てかアニメだと士郎さんが死にたがりの人格破綻者にしか見えない・・・ってよく考えたら原作も大概だった(苦笑
「なぁ小娘よ。いい加減にその痛ましい夢から醒めろ。さもなくば貴様は、いずれ英雄として最低限の誇りさえも失う羽目になる」
「せいぜい励めよ騎士王とやら。ことによるとおまえは、さらなる我が寵愛に値するかもな」
「思い出したのです。――『アーサー王はヒトの気持ちが分からない』と、かつてそう言い残してキャメロットを去った騎士がいたことを」
――が、運命はたとえ不可避だとしても、それが必定であるとは言い切れない

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