
「これをどう解釈するかは、キミたち次第だ」
そして災厄は“終わり”を告げる――
壮絶な殺し合いの果てに待ち受ける結末。原作・漫画版とは違う新たな可能性を示す「Another」第12話(最終話)の感想。
(終盤の)無駄な詰め込みが気になったけど、総じて満足いくアニメ化だったと思います。
なんとか試合前に更新できたのも嬉しい(そこかよ!
※原作既読ですが過度なネタバレはなるべくしない方向でいきます…ってもう気にする必要ないか(笑)

「ねえ本当に?本当にこの……三神先生――怜子さんが<もう一人>だと?」
うわぁ なんだかすごいことになっちゃったぞ(孤独のグルメ風
というわけで、前回からの壮絶展開そのままのテンションで幕を開けた最終回。
冒頭のシャンデリアタック→焼け落ちた柱の追撃の怒涛の流れに笑うべきか驚くべきか実に複雑な感情が入り乱れましたが
まぁ結果として原作の重要な場面は軒並み押さえてたし全体的にみれば「忠実なアニメ化」だったと思います。
とはいえ、ここまで悪ノリして手当り次第に(生徒が)生徒を殺す必要はあったのかと疑問が残るのも否定しませんが。
「殺らなきゃ殺られる!」っていう思考に囚われればある意味当然の行動とはいってもさ。
派手さはないが、いかにも日本的ホラーとしての静かな怖さがあるのが原作の魅力だと思ったんだけど
終盤になって急にコメディホラーの要領になってしまった気がする。そこが戸惑ったといえば戸惑いましたね。
そういう意味では水島努はやはり恐怖が描けない人なんだなぁ…と痛感せざるを得ない。
というか悲惨な結果になってしまうと合宿ってホント意味無いな(苦笑
悲劇を止める為に参加したのにまるきり正反対の結果になるなんて・・・・
最初に死亡フラグを立てた和久井君がまさかの生存という展開はなかなか皮肉っぽくて良かったですが。
ジェイソン化したBBAを一撃で仕留める千曳神拳SUGEEEEEEEEEE
よかった、最後にちゃんと見せ場があったw

ちょww風見がSATSUZINKIに?!www
発狂役www
出番が少ない少ない騒いでたら最後にとんだ役回りである。
前回が前回だっただけに何かやらかすんじゃないかなーと予想してましたが…これは完全に斜め上ですわ。
ドサクサに紛れて桜木さんを下の名前で呼んでたのはワロタけどね。お前ノンケかよぉ!(意味不明)
コイツのよくわからん発狂に巻き込まれた金松百合コンビがホント不憫で仕方ないですが
しかし風見自身、原作・漫画版ともに善良ポジションで生還を果たしていたことを考えると
イチバン不遇であったのはやはり彼だったかもしれない。スタッフはなんか恨みでもあったのか(マジメに

「まったく…やんなっちゃう。嘘でもいいから『憶えてるよ』くらい言いなさいよ」
やっぱりアカザーさん死亡じゃないか!(憤怒)
あれほど第二ヒロインとして猛プッシュされてたわりに結局、収まるとこに収まってしまったでござる。
まぁでも正直風見を殺してしまった時点でこの結末はもう避けられないと思いましたけどね。
勿論それは風見本人にも言えることですが、二人ともあのまま生き残ってもそれはそれで悲惨ではある。
他キャラと比べてかなり好待遇の美しい最期&原作でのわりとテキトーな扱いをみれば
そも「残念」と思えること自体が勲章。むしろ大躍進に近い役割を果たして逝けたのではないでしょうか。
上手くぼかされた部分もありますが、例の回想シーンについてもちゃんと拾ってくれたので良かったです。
兄かと思ったら従兄妹だったのか・・・・・設定的に当たり前といえば当たり前ですが
あそこで空気の読めないリアクションするあたり恒一もつくづくブレない男だなと感心してしまった(笑)

「――さよなら おかあさん」
てなわけで、<もう一人>の正体は“三神先生”こと、三神怜子さんでした。
原作組の方にはいまさら問うことはありませんが
アニメ組の方でも彼女が“死者”であるというのは結構前から察しがついてたのではないですかね?
いま振り返ってみると実に露骨なヒントが多く描かれていたと思います。
とはいえ「三神先生=怜子さん」まで辿り着くのはなかなか難しかったかもしれません。
アニメは映像作品であるため小説と比べれば格段に正体を考察しやすいですが
アニメ版も髪の色を変えたり架空の中の人を作り上げてきたりして(「宮牧 美沙代」とは「夜見山 岬」のアナグラムである
かなり手の込んだ隠蔽工作に励んでましたからね。
こういったスタッフさんの作品に対する細かい配慮も作品を楽しめた要因の一つであると思います。
シーン自体に目を向ければ、恒一を説得するときの鳴のこれまでになかった強い口調と
葛藤の果てに最後に立派な決断を下した恒一の心情を長く描写してくれたのは素晴らしかったです。
やたらと女性にボコられるヘタレ主人公でしたが、決めるとこは決めてくれたかなと(苦笑

でもって、ちょっと気になったのはこの通り魔のカット。
結局1話アバンの一連の描写はこのシーンに該当したわけですが
その通り魔の容姿が恒一に似てる(?)のは一体何の意図があったのか気になったり。
まぁ「実は恒一(通り魔)は怜子さんを二度殺してた」なんてオチは99.9%ないでしょうけど
このスタッフさんはホント悪趣味なオマケ要素を作るのが好きですね(笑)
個人的にはこれ「サカキバラ」のアレと掛けてるんじゃないかなぁ…と思ったのですが。
ま、いずれにしても悪趣味には変わりないか。

「そんなに忘れたくない?ずっと憶えていたい?」
すべてが終わった、エピローグ
予想では“合宿編”を濃く描写したせいでここがおざなりになるかと心配してましたが
かなり原作に忠実というか長めにとってくれて満足です。
やっぱり鳴と恒一は最後までこの微妙に距離感ある感じが良いんですよね。
P.A.自慢の背景美術がこれでもかと披露されてるのも要注目ですw
この場所、実際に富山?かどこかにありそうだなぁ。
ラスト、鳴の魔性の笑みで〆ってのもなんかイイ

「ちゃんと考えて、周りの友だちと相談して……」
――後悔しないように
繋がっていく記憶の底に 誰かが見つけるためあると信じている
かくして恒一たち「3年3組」の物語はこれにて完結ですが・・・・
しかし“災厄”そのものは根本的に解決したわけではない。これからもソレは続く…ってことで
いかにも後味の悪いホラー作品らしいオチではないかと思います。
というかテッシー、MD残すよりも千曳先生に語り継いでもらった方が効率いいんじゃないか?w
まぁそれ以前に鳴のような魔眼持ちでもいない限り、もっと悲惨な疑心暗鬼を誘発するだけの気がしますが・・・・
最終回ということでそれなりに長くなりましたが、以上で本作もめでたく(?)完結です。
総評として、原作よりキャラの肉付けを増やした分、かえって終盤の描写に余裕がなくなった印象ですが
まぁ全12話ハイクオリティで駆け抜けたのは素晴らしいかったなぁ…と個人的には結構満足してますね。
寧ろアニメ版はあらかじめネタバレされてた人たち…
つまり原作や漫画を読んでいた人の方があれこれ違いを考察できて楽しめた感すらある。
特に序盤~中盤にかけての基本おとなしくも魅せる場面は音と演出の力でしっかり魅せる作りは本当に素晴らしかった。
それだけに水着回はじめ終盤のスタッフさんの欲が出た部分が、かえってそれまでの積み重ねを消してしまってる気がして
そこが少しもったいないと言えばもったいない出来ではありましたね。
ただ総合的に見て、かねてからの綾辻ファンとしては非常に楽しめるアニメ化だったと思います。
スタッフの皆さま、おつかれさまでしたm(_ _)m そして、ありがとう!
綾辻先生、外伝と続編の執筆も期待してます(ニッコリ

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